オゾンの性質|オゾンの特性と化学反応

監修:ミナカタ消毒代表:宮崎圭佑

科学修士(MS)京都大学
京都大学医学研究科人間健康科学専攻修了、一般医療機関勤務、京都大学医学部附属病院研修を経て、ミナカタ消毒株式会社を独立、京都府(乙種)消毒主任責任者

 

この記事ではオゾンの性質についてお話します。皆さんも、オゾン層という言葉を聞いたことがあると思います。オゾンは強い殺菌・脱臭作用を持つ物質で、青臭い独特の臭いを持つ物質です。

実は、オゾンと酸素は兄弟関係にあります。化学的には、オゾンは酸素の同素体で、酸素は酸素原子が2つくっついた分子ですが、オゾンは酸素原子が3つくっついた分子です。オゾンの性質は独特で、様々な分野で利用されています。

オゾンの発見

 

1785年にオランダの科学者Martinus Van Marumnにより開発されました。

オゾンは1785年にオランダの科学者Martinus Van Marumnによって発見されました。その55年後、ドイツの化学者であるクリスチアン・シェーンバインにより、このオゾンが酸素から生成されることが発見されました。シェーンバインは雷が独特の臭いを持つオゾンを生じることから、ギリシャ語で「臭い」を意味するozoneと名付けました。

 

オゾンが生成される環境

オゾンの生成反応

 

2 + エネルギー(紫外線、放電など) = O + O(解離した酸素原子)

O2(酸素分子) + O(解離した酸素原子) O3 (オゾン)

※この反応は温度や圧力が増すほど強くなります。

オゾンの特徴的な性質として高い酸化力が挙げられます。紫外線の照射や無声放電など、高いエネルギーにより酸素分子が酸素原子に解離します。その解離した酸素原子と酸素分子との間で生まれるのがオゾンです。またオゾンを水と反応させたオゾン水は高い殺菌作用を持ちます。

紫外線照射

光のエネルギーが大きい短波長の紫外線により、酸素が解離します。その解離した酸素原子と酸素分子が反応してオゾンが生成されます。オゾン層は太陽光により反応生成されたオゾンからなる気相です。

無声放電

高い電圧で加速された電子をぶつけることで、酸素分子を酸素原子に解離させます。そして解離させた酸素原子と酸素分子が反応してオゾンが生成されます。一般的に人工的に作られるオゾン発生器は、この無声放電を利用したものが多いです。

オゾン水

オゾンを水に反応させた水溶液を「オゾン水」と言います。オゾンと水との反応は以下になります。

O3 +H2O+2e−⇒O2+2OH−

このOH−(ヒドロキシラジカル)の強い酸化力が、高い殺菌・ウイルス不活化を可能とします。

そして、以下、酸性溶液中では僅かに電離している溶液中のH+(水素イオン)と反応して水が出来ます。

O3 + 2H+ +2e−=O2+H2

 

オゾンを利用した殺菌・脱臭

 

殺菌・ウイルスの不活化

細胞周辺の水分によって、まずオゾンが分解してヒドロキシラジカル(OH−)を発生させる。ヒドロキシラジカル(OH−)の酸化作用により、細胞壁を破壊する。

オゾンから遊離したフリーラジカル(活性酸素)の高い酸化力で、菌やウイルスの細胞膜、核酸構造などを壊します。

オゾンにより細菌やウイルスの構造が壊れて溶けてしまうのです。このようにオゾンによる微生物除去は、構造的な破壊を行うので耐性を作らないことで知られています。さらに、水中で生成したオゾン水の殺菌・ウイルスの不活化力はエタノールや次亜塩素酸などより強く、院内感染対策や食品産業において広く利用されています。

オゾンによる脱臭効果

オゾンは悪臭を放つ物質の構造を破壊することで、強力な脱臭効果を発揮します。特に、メタンや硫化水素、アミンなど、悪臭を構成する代表的な物質を分解する作用があります。