オゾン発生器の使い方について

監修:ミナカタ消毒代表:宮崎圭佑

科学修士(MS)京都大学
京都大学医学研究科人間健康科学専攻修了、一般医療機関勤務、京都大学医学部附属病院研修を経て、ミナカタ消毒株式会社を独立、京都府(乙種)消毒主任責任者

 

オゾン発生器の主な3つの利用方法

オゾン発生器にはオゾンガスを炊く「オゾン燻蒸」とオゾンを水に溶かす「オゾン水」があります。そしてオゾン燻蒸には、部屋を締め切って人が居ない環境でオゾンを炊く「高濃度オゾン燻蒸(無人)」と人がいる環境でオゾンを炊く「低濃度オゾン燻蒸(有人)」があります。

オゾンの強い酸化力を利用して、微生物の皮膜構造が壊れたり、臭いのもととなる有機物が分解します。この作用はオゾン燻蒸でも、オゾン水でも同じです。

 

オゾン燻蒸による微生物不活化・臭い物質分解

空気中にオゾンを充満させて気相オゾン(ガス)により微生物を不活化させる方法です。一般的には高濃度オゾンによる燻蒸が用いられますが、近年、湿度が高い環境だと低濃度オゾンでも一定の微生物不活化作用があることが分かっています。

高濃度無人オゾン燻蒸(人が居ない環境)

高濃度オゾン燻蒸では、部屋を締め切って人が居ない環境でオゾン発生器を稼働させます。高濃度のオゾンガスが部屋に充満することで、部屋内の細菌やウイルスを不活化させます。オゾンが室内の湿度(水分子)と反応することで、※HO(ヒドロキシラジカル)が発生して、微生物の外膜構造を破壊します。この破壊は「溶菌(ウ)」と呼ばれています。

奈良県立医科大学;高濃度オゾンによるウイルス不活化実験

高濃度オゾン燻蒸で、有効とされるオゾン濃度はCT値60〜70が基準となります。CT値は、オゾン濃度ppm×時間(分)を元に算出されます。CT値60の場合は1ppmのオゾン濃度に微生物が60分晒された事になります。

部屋の体積(面積×天井の高さ)が狭いほど、オゾンが充満してオゾン濃度が高くなるので、CT値も高くなります。大きな体積の空間だとより強いオゾン生成量を持つオゾン発生器を長い時間、稼働させなければなりません。

右から,オゾンクラスター1400,オースリークリア3,オゾンクルーラー

弊社のオゾン発生器では、50㎡以上の空間だとオゾンクラスター1400が、50㎡以下の空間だとオースリークリア3が高濃度オゾン燻蒸に最適です。また10㎡以下の空間ではオゾンクルーラーのオゾン燻蒸モードでも高濃度に達します。高濃度オゾン燻蒸で不活化される微生物のCT値一覧は以下になります。

食品工場で稼働するオゾンクラスター1400と、貸し会議室で稼働するオースリークリア3

上の写真のように部屋を締め切ってタイマーモードで高濃度オゾンを炊きます。一定時間後にオゾン発生器を回収します。高濃度オゾンが残留すると危険なので、稼働停止後に一定時間あけてからオゾン発生器を回収します。回収時に残留オゾンを排出するために窓を開けて換気します。

高濃度オゾンで不活化される微生物の事例

以下のような微生物(細菌・ウイルス・真菌)が高濃度オゾン燻蒸により不活化されます。これ以外にも様々な微生物の不活化が報告されており気相オゾン濃度と不活化可能な微生物の関係においては、今までに高いエビデンスが積み上がっています。

低濃度有人オゾン燻蒸(人が居る環境)

近年、低濃度オゾンでも一定レベルでウイルスの不活化や臭い物質の分解ができることが分かっています。こちらは低濃度のオゾンを空気中の水と反応させて※HOを発生さることで微生物を不活化するので、高濃度オゾンより高い湿度が求められます。加湿器などを併用して、湿度60%以上の環境で利用するのが推奨されています。

藤田医科大学による低濃度オゾンでのウイルス不活化実験

藤田医科大学では湿度55%以上の実験環境で、0.1ppm以下という低濃度でのウイルス不活化に成功しました。この0.1ppmは日本のオゾン安全基準値ですので、人体に無害な濃度でも加湿環境を作ることで一定の微生物不活化が可能なことを示しています。ただし高濃度オゾン燻蒸のように微生物を完全に近いレベルで不活化することは困難です。

 

オゾンクルーラーの繰り返しモード利用

このような0.1ppm以下の低濃度オゾン利用は、弊社製品ではオゾンクルーラーの「繰り返しモード」で可能です。5分間の200mg/hのオゾン燻蒸と、25分間の休止モードを繰り返すことで、有人(人がいる)での低濃度オゾン環境を作ることができます。ただし、オゾンクルーラーを用いた場合は1台であるならば、30㎡以下の小さなスペースを中心とした利用になります。

 

オゾンクラスターのタイマー運転利用

大きな空間(100㎡以上)では、オゾンクラスターの「タイマー運転モード」を利用することで、低濃度オゾン利用が可能です。30秒間のオゾン燻蒸後に2分間の休止期間を設定するなど、運転と休止を繰り返すことで、低濃度オゾン環境を作ることができます。

しかし、オゾンクラスターは1400mg/hとオゾン生成量が大きいので、オゾン排出中に人が近づかないように、オゾン発生器を人から離れた位置に置くなど、安全対策が必要になります。

オゾン水の利用(強力な微生物不活化力)

オゾンは水と反応して※HO(ヒドロキシラジカル)を生成させることで、微生物を不活化します。つまり水の電気分解によりオゾンを液相中で生成した「オゾン水」は、気相オゾン(ガス)よりも遥かに強い微生物不活化パワーがあります。

 

電気分解法により高濃度オゾン水を生成できるオゾンバスターとオゾンバスターPRO

電気分解によりオゾン水を作る方法と、オゾンガスを専用チューブで溶かす方法があります。電気分解法は「オゾンバスターPRO」が、オゾンガスを溶かす方法は「オゾンクラスター」「オースリークリア3」で可能です。基本的に水を直接電気分解する方が高いオゾン濃度のオゾン水を生成することができます。

安全かつ効果的な消毒液として利用できる

生成したオゾン水は、水拭きや噴霧など、様々な方法で利用することができます。基本はアルコール消毒液と同じ使い方で問題ありません。オゾン水は皮膚や粘膜への有害な作用は確認されておらず安全に利用することができます。また生成したオゾン水は、数時間で完全自然分解されて「ただの水」に戻ります。

オゾン水により不活化される微生物一覧

オゾン水により不活化可能な微生物の一部を下記に並べました。オゾンガス(燻蒸)よりも、遥かに短い時間で完全不活化が可能です。高い消毒作用を持つ液体であることがわかります。